トキメク

今、頭の片隅にうぶ声が響いた。
小さく美しい声、詩に育ちそうな予感、
私は慌てて掬い上げ ようとした。
けれど雑多なニュース に、上書きされ、
今、私に残っているのは、
心を打たれたという 思い出、だけ。
それはいくつかのシナプスを駆け抜け、
残響さえも、陳腐な日常に、溶けてしま っ  ……た?

指の間を滑る
あらゆる思い出と空想の入り乱れた
記憶
夢と現実が
すり替わっていたとしても私は

今、カラスが鳴いた。それだけが私に響いt


自由詩 トキメク Copyright  2019-01-19 12:54:22
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