鰈乗合船
北村 守通

トモに
だるまが鎮座している
友はなく
お互い
一人で
じっと
鎮座している
お互い
なにも
語らずに
じっと
灰色の
海面の
糸が沈んでいるであろう
方向を
じっと
眺めながら
鎮座している

おそらく
海底では
泥布団の上で
天秤は
眠りこけている
ついついと
こづかれても
それにこたえることもなく
眠りこけている


自由詩 鰈乗合船 Copyright 北村 守通 2019-01-17 12:38:28縦
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