駅前
ミナト 螢

毎日の両腕が
囲んでいる
空気や鞄の
大きさを見つめ

比べる相手も
いない掌の
隙間に挟んだ
ポケットティッシュが
歩き出す僕の
宇宙になった

冷たいビニールが
安っぽくて
それでも丈夫だ

雨にも負けずに
ポケットの中で
懐いてきたぜ


自由詩 駅前 Copyright ミナト 螢 2019-01-14 20:36:36
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