インソムニア
たいら

太陽を見つめたあと
瞼を閉じると浮かぶ光
焼き付いた光明
離れないで

星降る夜
双眼鏡の奥で瞬いたのは
人工衛星でした
叶わない願い

ねえ また 眠れぬ夜がくるよ
幾千の絶望を重ねて
届かない太陽に目を焼いたイカロス
月夜に沈め

眠れない夜も
目覚めない朝も
巡り巡って人生を象る
誰にでも等しく
あまりにも不平等な
眠る度に目減りする残機
踊るなら朝まで。


自由詩 インソムニア Copyright たいら 2019-01-12 04:44:43
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