新月
るるりら

新月が穴のように開いている
月が巡ってくることをいのる
いにしえの民のこころもちで
月の定めた晦日の夜に凍えて
聖なる薪としてくべた雑記帳

お気に入りの日記帳が炎と化すあの感じ
大切な人が私と結びつけていた写真を無造作に捨てたと知った あの感じ
筆圧の強い字ではちゃめちゃに書いた文字が涙の飛沫で溶ける あの感じ

ふくみのふくらみを 口にすると朽ちてゆく
みもだえたすえに 決心する
すきなことをすきなだけしているつもりで
すきなことがなにかをわすれ 穴のように開いている

新月 満天の空に ぽっかりあいた穴のよう
或るはずの天体は 時間と空間のなかに まっさらを示し
わたしをふくらませようとしている
みたそうとしている 

わたしは いつも みたさそうとする月の力を裏切りながら
きょうの新月と対話する

すきなことをすきなだけするという軸ではなく
できることをできるだけしていく軸で生まれ変わりますから
だから月よ 
明日の わたしを 満たしておくれ


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http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5957127#12689686
即興で詩を投稿するサイトに投稿した作品です。同じ題名で詩を書き、みなが認めた作品を書いた方が 次の題名を示すサイトです。本作品の課題は、みうらのばでぃすきー様が 2019/01/01 (Tue) 18:42:00に出しておられます。
しかし、どなたの御投稿がなかったようです。大幅に指定時間をすぎましたが、今朝 本作品を投稿させていただきました。


自由詩 新月 Copyright るるりら 2019-01-09 08:25:40縦
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るるりらの 即興ゴルゴンダ