あまやかなつみき遊び

積んで積んでギフトボックス
欲しがり屋さんは誰だろう?
裏返しの目玉 つり上げた唇の端
小首をかしげながら受け取った
  ウソつく子は悪い子/良い子
  ウソつかない子は良い子/悪い子
  都合の、を隠していると知っている

積んで積んでギフトボックス
てっぺんの真新しい包みには真っ白なため息
一つだけ飾ったら蹴っ飛ばそう
  潰れた角っこ しわしわのリボン
  金ぴかのシールはぺろんぺろん
  ねえ、虹をぎゅっとすると何色になると思う?

積んで蹴ってギフトボックス
積んだのはわたし/あなた
蹴り崩したのはあなた/わたし
  カーテンコールまでは台本通り
  ドアプレートのうさぎは揺らさない
  あれは鏡 だった――高く子供の笑い声がする。

  お腹がすいたままなのは誰のせい?

積んで積んでギフトボックス
蹴って投げて拾って積んで――いっそう高く。
眠たくなるまで
  したら「おやすみ」にするから
  「また明日」なんてイジワル言わずに
  ずっとずっと「おやすみ」にしようよ――虹をぎゅっとした色の部屋で。


自由詩 あまやかなつみき遊び Copyright  2019-01-08 13:41:22縦
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