駅の待合室
帆場蔵人
遊び疲れたのか
母親に持たれてねむる
少年を挟んで
父親と母親が
それぞれ、編み針を手に
小さな毛糸の靴下を編んでいる
どちらが欠けても使えない
暖かい色の靴下に見えないものを
編み込んでいるようだ
来年にはまた、新しい靴下が編まれるのか
あと何度、二人は靴下を編むのだろう
電車はまだ当分、来ない
待合室は夜に包まれている
自由詩
駅の待合室
Copyright
帆場蔵人
2019-01-07 16:59:27
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