冬のパズル
そらの珊瑚

晴れた港の
防波堤を歩いた

コンクリートのひび割れから
小さな花は灯る
テトラポットは
夜ごと
組み替えられている
それらが
いつか砂粒になるまで
続いていくとしても
さかなのほかには
誰も知らない

朝火が
闇を燃えつくし
月を
白い燃えかすに替えて
なにもかも見失っていけば
心は
みるみる弱くなる
いつか泡になっても
さかなのほかには
誰にも告げない

みんな
解けないパズル
解かれることさえ
彼らは望んでもいないのです





自由詩 冬のパズル Copyright そらの珊瑚 2019-01-07 14:10:05縦
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