静脈
ミナト 螢

眠れない夜に限って
外は雨だね

時計の針と
水滴のリズムが
重なり合って
押し潰されそうな

街の月明かり
薄いドレスの
裾から溢れる
光が足りずに
宇宙へ旅立つ

シーツで包んだ
体を曲げても
心だけは真っ直ぐに
守れたら

ワインで溶かした
沸点の歪み
美しい声で
呼んでも来なくて

怒りも涙も
血が流れるまま
脈に触れるのは
誰の役目か


自由詩 静脈 Copyright ミナト 螢 2019-01-04 13:04:35
notebook Home 戻る  過去 未来