全知全能のおっさん
こたきひろし

ある時
俺は全知全能のおっさんに抜擢された

早速
俺は住所不定消息不明の神を探しだし裁判を決行した
罪状は有りすぎて絞れない

俺が極刑を求刑し、俺が求刑通りの判決を下した

速やかに処刑を実行したのも俺だった
それが出来るから
全知全能のおっさんなので

あああ
スッキリした
積年の便秘がいっぺんに解消された気分だった

全知全能のおっさんである俺が
次になすべき事は一つしかない
それは俺の欲望を100パーセント満たす事だ
当然そうなるだろう

その為に俺はいちばんに神を抹殺したのだから
それもこれも
全知全能のおっさんだからこそ俺は何をしてもゆるされるんだよ

俺は全知全能の神ではないのだから

俺はあくまで全知全能のおっさんなので
全人類を救うなんて
馬鹿馬鹿しい
阿呆らしいと思ってる
だって
元々はエロとエゴの塊
欲求不満のただのおっさんだから

だけど
それって
もしかしたら
全知全能の神の正体といっしょだったのかもな


自由詩 全知全能のおっさん Copyright こたきひろし 2019-01-03 23:04:38
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