何者
寒雪3
眼前に燻る
ぼんやりくぐもった鉱石
手に持つ
鈍色の意志が
削ぎ落し
付け足し
磨き上げ
ただひたすらに
そうして現れた
自分色の輝きを
町中に
無造作に投げ捨てて
遠巻きに見つめる
その時始めて
自分が何者にもなれない
ということを
しっかりと認識するのだ
自由詩
何者
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寒雪3
2019-01-02 19:35:12縦