新しい熱
立見春香

そうだね
おめでとうといわれても
ありがとうというべきじゃない
かもしれない

そんなゲームをやってるみたい

真っ白に降り積もる雪が
身体中から
熱を奪って行く
頭のてっぺんからも
情を奪って行く

ただの愛しい笑顔を見ながら
たかがゲームの世界に悩むなんて
バカにした笑いが止まらないね

でも
ほんとうの人を想う心なんて
あんがいそんなものなのかもしれないね

あの日求めた
特別な喜びの種が
ほしいようで
いまとなってはもう
ほしくないようで
自分の人生を無色透明に凍てつかせて
やり終えた「希いのねがい」の影に
願うことすらできなくする

くらいなので
どうしても
もっと ふたり きっちりと
わかり合っておかなくてはだめだ
救われたいのは
心の底から
求める想いがすき透るから







自由詩 新しい熱 Copyright 立見春香 2019-01-02 12:22:17
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