ミナト 螢

全てを失くしたような顔をして
覗けるショーウィンドウなど
ここにはないよ

きっと汚れてるファンデが落ちて
心の毛穴に詰まらせながら
どうしようもなく哀しい涙は

手の甲で弾くピアノ線みたいに
冷たさと痛みが襲ってくる

こんな時にまで乱れた姿を
気にするなんて心臓は
どこで動いているのか

どうか溢れる思いのあるがまま
裸のドレスに着替えておいで

耳を澄ませば思い出す言葉に
強がりの鎧を脱いでいけたら
もっと上手に歩けていただろう


自由詩Copyright ミナト 螢 2018-12-30 16:07:55
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