ハァモニィベル




果てしない一群の墓標が

ここに夢を綴じている

今、私に見つめられたそれらも

かつては何かを、彼ら自身が見つめていただろう

たった二つの

魂のかけらめいた瞳のなかに



そのなかには沈黙の言葉が在ったであろう。
 捻転し連鎖を繰り返し 輪廻し続けた言葉の渦とともに

魂にされた物質は、ひたすらに、遥かな実在のうみを泳いでいき

目を開けることもできず、息継ぎもままならぬ幼い日から

いま、ずっと遥かな過去へと辿り着いた



彼らはけして刻印された史実に成り果てたわけじゃない

一人一人、皆、不可知である筈の

一群の偉大なる《魂の過去》である





自由詩Copyright ハァモニィベル 2018-12-28 22:11:09
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