はじまりの鐘
青の群れ

寄せては返す波に
少しずつ後ずさりする

わたしたちは些細な願望や欲望を叶えて
どうにか生きながらえているね、平成

何か言い訳をしたくて仕方ないだけなら、
たとえば、あの鐘を撞いてみればいいよ

きりが無いようにすら思える反復

嫌いになったわけでもないのに
あなたの手の感触を忘れていく
産声をあげてから静寂に還るまで
小さく、だんだんと丸くなる記憶

新しい年号生まれのあなたに
託す夢が思い浮かばない

あれから七年、何が変わったかな
冬の星の光は鋭く光り続けている

ただ純粋に寂しいと言えずに
まだ終わらなくていいよって、
わたしたちは鐘の音を聞く

さようなら
命はそのうちに燃えて、
残光は朝の海に沈む


自由詩 はじまりの鐘 Copyright 青の群れ 2018-12-28 02:25:48縦
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