卒業式
水宮うみ

ぜんぶ、紙吹雪になったらいいのに。
そう呟いた人から順に紙吹雪になっていく。
街は君の涙を無感動に見つめていた。
僕達の毎日は、いつまでたっても世界に届かなくて、
幸福な朝にだって白い孤独がちらついている。
だけどそんな日々も、もう終わり。
今日は世界の卒業式。
空も街も、本来の紙吹雪へと戻っていく。
世界中の人たちも、僕も君も、みんなおめでとう。
僕達はもう、誰にも出会う必要はないよ。


自由詩 卒業式 Copyright 水宮うみ 2018-12-27 17:53:58
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