腐臭を伴うつみき遊び

異次元の慰めが
青みを忘れた虹の絵のように
私をすり抜け
漂う
残り香は

何かが腐っていることを事務的に知らせる。

――幸せになりましょう。

うるせえな

――あなたは愛されているのです。

、耳鳴りが酷い。
血の、ザーッザーッ流れる 音、が

   * * *

虹の端切れを追った 白い夜
の、赤い矢印 が、点々と続く

敗血症を待つ老婆の泪に

悠然と
ダニが游いで、いた から

あめった空気を胸いっぱいに吸い込んで無造作に吐き出した

、嘘は
思ったよりも青臭くて

――あの子は何も欲しがらなくて可愛げがない。

泣きたくなった。

というのは正直盛り過ぎたけど
あの部屋の空気があめっていたのは本当で
理想のターミナルと無気力な運転士に想いを馳せた。

   * * *

摂氏二度の孤独に芽吹いた夢想が花ひらく。

――何でも「ありがとう」と言って受け取りなさい。

赤くベタついた手のひらを
あつい
肉を孕んだデニムに擦り付けたい

――要らないと思っても笑顔で。

それは不透明な虹と羊の腹子をミキサーで混ぜたような
甘ったるく饐えたにおいで呼吸を阻害された幼い日の情欲

――相手が可哀想でしょう?

海月によく似た 眠りの合間の


自由詩 腐臭を伴うつみき遊び Copyright  2018-12-26 14:31:55縦
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