釘の鉄琴
なけま、たへるよんう゛くを

強く 抱き締められた形で
ひしゃげたまんま大きく なった人たち
身ぐるみ剥がれたみかんの皮を
物悲しく思いやるということは
良いきもちや悪いきもちで触れる
分別も足りてないってことなんだね
じゃあずっとそこにいなさい
文明開化にあぶれた校舎の
影が濡れていたりする
狂おしく熱い雪が
ほっぺを黒ずませ

どんなにか念じても
抜け出せない糊の中を
しもべを飼って虐めれば悪寒は止むよって
そんなのじゃどうかと思う

かげろうと名付けられた天使だけは
生き延びる業を覚えずに済んだ
あの日ビートは弾む 痛くて
懸命にのろま目立つ

人ごみに混じって 気休めばかり涼を取るとき
ああそうだった 大きくなったのだ
あんな尖ったおもちゃたちが踏み潰されてしまうほどだ!


自由詩 釘の鉄琴 Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2018-12-25 08:58:51
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