かつて祖母の家で
番田 

あの日 バンコクの高架下で
僕は一人ぼっちで寂しくご飯を食べたのだった
薄暗い屋台の席で カオマンガイと
闇の中を行くバイクを 一人で 静かに眺めていた


今年のクリスマスの印象としては
少し 天気の様子が悪かったけれど
僕も一切外に出ず 一人で家にこもっていたのだ
今は部屋で静かにテレビを見つめている


昔 祖母の家を家族で訪れた日は
幼かった いとこと部屋を走り回って 楽しかった
でも あの頃の思い出は戻ってはこないし
過去に戻ることはできないことを知っている


あれから 一度 友達と旅行したことがあって
最近亡くなったらしい 祖母の家の前を
彼と通り過ぎた夜のはっきりとした記憶があるのだけれど
そこは 実際は 小さくて 目立たない建物だった


自由詩 かつて祖母の家で Copyright 番田  2018-12-25 01:01:36
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