冬を越す
秋葉竹


バシャバシャと
ベッドの海で泳ぐという
夢を描いた、哀しい絵の具で

遠くから
雨の匂いがする冬は
雪が降るより、心は寒い日

流星に
安い願いのメールして
刹那みっつの祈りを捧げる

恋したわ。
寒い時間を、まっすぐに
手塩にかけたふたりの温もり



寒いイブ
ひとりの部屋で灯らない
ツリーの飾りを無言で睨んで

この季節
別れるなんて寒い恋
しなきゃ良かった、年も更けゆく


前髪が
鬱陶しいとかいったっけ?
切ってみたけど気づいてくれる?

バイバイが
『お別れ』あらわす言葉なら
初めて本気で言うのは今夜だ






短歌 冬を越す Copyright 秋葉竹 2018-12-16 15:25:19
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