滅ばない星
水宮うみ


滅んだ星の美しさに、涙を流すから物語は続くんだね。
どこにも行けなくなった天体。強く正しい力はすべてを置き去りにして、
雲の上の天使たちがきみの叫び声を気にせず今日も笑っている。
光のなかに迷い込んでいくぼくら。光には冷たい温度があって、
目を覚まさない幼少期を優しく温めている。
だから騙されてもいいって、寂しい心が、
緩やかに泣いているからなにもかも嫌になった。
夜更かしは楽しいね。身体に悪くて心に悪くて、
星がひとつも見えないから楽しいね。
ぼくが星だったのなら、こんな悲しいことを言わなくて済んだのだろうか。
天使のキラキラした会話のなかで生成されていく、愛すべき、ぼくらの
滅ばない星。


自由詩 滅ばない星 Copyright 水宮うみ 2018-12-14 06:23:13縦
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