過ぎゆく秋のざらつき
帆場蔵人
銀杏の葉が
繋いだ 手 のなかにとけていくのを
ひとつの幻想として編んでみるふたり
秋を数えては冬が来るのを拒むけれど
数えるほどに擦り傷だらけ、ざらつき
ほどけて かなしみ が 編み込まれて
銀杏の葉は
かなしみと呼ばれる
そこら辺に溢れて、踏まれて
それと同じように、かなしみ、は
何処かで量産されている、ラベルは
同じなのに、かなしみ、は重ならない
重ねたところしか、理解し合えないから
重ねたところでも、理解し合えないから
重ねた手のなかで、銀杏の葉を感じている
そんな ざらつき が いとおしい
距たれるほど かなしみ が いとおしい
自由詩
過ぎゆく秋のざらつき
Copyright
帆場蔵人
2018-12-10 00:50:51
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