流星の涙
犬絵


呼ばれたむかし
そんなことも
なかったけれど
なぜか
悪者と
呼ばれていたわけは

わからない

わからないけれど
みられる熱い
まなじりだけは
ほおを刺すように
感じられた


みあげると
星月夜
流れゆく
星もいる
その星に
なりたいのか
どの星に
なりたいのか
この心
あふれたら
みあげても
こぼれ落つ
一滴の
みかづきを
涙という
人もいる



かえりたい
かえりたい

かえりたい
このままじゃ
ダメだとか
そんなことも
わからないのか
ダメだから
前世を
信じない
そんなこと
べつにいい
かえりたい
かえりたい

かえりたい
のか
わからない

たったひとりで
困らずに
生きてゆき
流れゆく



悪者と
呼ばれたむかし
そんなことも
なかったけれど
なぜか
悪者と
呼ばれていたわけは

わからない

わからないけど
みられる熱い
まなじりだけは
刺すように
感じられ

それは
熱く
あつくあつく
見守る瞳や
引きつらせた
ほお

哀しみの
夜まで闘った
命のことさえ
みないふりして

ポタリ
ポタリ

血の匂いが落ちる
夜のいたずら

困る
あの世界を
かき乱すほどの
熾烈な憎悪も
ほら
この胸に
けむりとなって
充ち満ちている

だれか
この身を
守って

ねぇ、
わからない?

心に巣食う
悪は

肯んじない
依怙地だよ

なぁ、
それでいい?

べつにいいけど
その
普遍の真理の悪を
飼い慣らしつづけること

それがひとつの
歌になる日を
夢みて

えぇ、
そうね、
けっして、
夢みるころは
過ぎないわ

もう、
寝ましょうか?

夜も、
更け切った

眠れない
夜も
くらやみを
恐れるな

ただ、

よ?

夢みるころは
過ぎないで

ね?











自由詩 流星の涙 Copyright 犬絵 2018-11-13 01:15:01
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