無印
ミナト 螢

光る宝石を身に付けた時は
それより輝く命を見逃す

一瞬の煌めきの中で揺れる
原石を持った人の夢だから
重たくて軽い口笛を吹くと
眩しい世界へ届きそうになる

真っ白なノートを開いただけで
心も目覚める空気を孕み

右手の感覚を外しながら
コックリさんが来るのを待っている

少しずつ書いた言葉は無色で
透明な方が色褪せないね

うなずく魂の声を聞いて
ボールペンは同じ場所を走る

右へも左へも行けずに迷う
原石をもっと小さく砕いて
誰かのポケットの熱に触れたい

創作のために空っぽになった
胸の膨らみが君をどこかで
励ませるように
言葉は生まれたら一人で歩く


自由詩 無印 Copyright ミナト 螢 2018-11-08 08:14:38
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