詩病なる自分
ナンモナイデス


自分は幽霊を見たことがない

父も出てこないし
母も今のところ出てくる気配がない

昔から死後の話は多い

哲学者だって哲学者として生まれ変る
事を信じていたようである

自分は生まれ変りではないと思う

生まれ変っても自分でしかないのなら
生まれ変ってもしょうがない

自分は自分が生まれ死んでゆく
この世が不思議である

自分はどんなに偶然とはいえ
この世に存在してしまった

自分はとりあえずいつかの時か死ぬ

自分が死ねばこの世を知る者がいなくなる

一応

死とはただそれだけの終焉にすぎず

しかし

自分の終焉とは

この世の終焉でもあり

宇宙も終焉する

はてさて

ならば次の世に生まれることはできない
はずである

ならば

なぜ自分は在り得たのであろうか

自然史 地球史上のただの偶然

偶然在り得てしまった悲劇

自分は泣く

なくなるまで泣きつづける

誰にも看取られる者もなく

息をひきとらざるをえない

自分の自分らしい

近未来を予感して

嗤う自分

自分は形而上学に逃げない

自分はオカルトに逃げない

自分は宗教や科学に逃げない

自分は自分の詩を開示する




自由詩 詩病なる自分 Copyright ナンモナイデス 2018-11-06 21:29:21
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