パーセク
青星円

あのパーセクの向こう
猫には見えるのだろうか
死んでいった魂が

都会では星さえ見えないが
ほんとうは暗闇の向こうに先があるのだ

しんとした部屋、片付いてはいないが汚くもない
自分はこの大きめのLDKが気に入っている

4階のベランダで空に手を伸ばす
事故物件にしてしまうにはもったいない部屋だと、考えた

猫が足元にすり寄ってきた
部屋へ戻って食べかけの林檎を食べよう


自由詩 パーセク Copyright 青星円 2018-10-24 16:50:30
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