腰国改修

テレビの入った箱があって
その中に僕が入って
目の前には彼女がいて
(実際には彼女に関するデータだが)
二人の間にはガラスで出来たテーブル
その中には彼女が集める美しい切手
僕が集める美しい1/43のミニカー
好きなものの上に好きな料理
好きな人と向かい合ってグラスを
色んなものが入った箱は
時間がくると挟まれて
釣り上げられて捨てられる
切手もミニカーもぐちゃぐちゃ
テレビもテーブルもばきばき
僕らはというと
彼女のデータをUSBに移して
挟まれる寸前に箱の外へ
挟まれるってことが
分かっていたらそうなんだろうけどね
分かっていなかったから
僕も彼女もぐちゃぐちゃばきばき
南半球のビーチで長椅子に身を任せ
次の機会を待っているだけ
太陽を見た
箱のことはすっかり
忘れるだろう


自由詩Copyright 腰国改修 2018-10-23 00:53:58
notebook Home 戻る  過去 未来