きらきらと少年
あおいみつる

亀の剝製が飾ってある床の間
ゆらゆらと海面を漂い
首を一突きにされた
甲羅は磨きに磨かれている
見事な輝き

太平洋の夜は蒼い
恋するように
旅に出る
夢のスエード
抱きしめると
暖かかい
そして優しい
海の香りは香水

イルカやクジラやマンボウ
ゆらゆらとクラゲや
海蛇が誘う
満月の夜は
亀の産卵と
旅立ちの夜

煌めきの夏の海は
生命の神秘と始まり
やがて終わるのだけれど
知らないのは子供だったから




自由詩 きらきらと少年 Copyright あおいみつる 2018-10-22 14:16:55縦
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