約束
ゴデル

8憶光年離れた所から
昼寝中の僕の所へ
死んだ母親がやってきた

わざわざ
「もう、あなたのことを守れない。」

言いに来たのだ
天井に映る暗い顔

約束が違うな
思いつつ
まあ
守られないのが
約束だから

納得した

良いじゃない

死ぬ間際にベッドで
「あなたのことを守る。」
か細い声で言っていたっけ

出席の代返を頼んでた
友達以上の女子

「もう、先生を裏切ることできない。」

絶交されたみたいな
嫌、それ以上かもしれない

俺との約束
守れる体にして
黙ってればいいのに
変に律儀なところ
死んでも変わらないね

俺のことはいいから
帰って屁こいて寝ろ
エクトプラズム
イラっと
放散した俺

本当、
守ってる体にして
笑顔を見せてくれたほうが
何倍も良かったんだよ

嘘でも良いじゃないの
気分が良いじゃないの
結局
何が言いたかったの
自分が大事なの
死んでも

正直な母には
きっともう
幸せが始まっているよ

元気で

俺はまばたきして
この回線を閉じた







自由詩 約束 Copyright ゴデル 2018-10-19 16:52:32
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