わたしとあの人の道
立見春香

わたしの道はどこまでつづくか
知らない

似ている
女の人の道なら
見えるかもしれない

それが
恋の道なら
良く見えるのかなあ

わたしの恋の道は
ダメだったから

せめて似ている女の人の道は
まっすぐ、へいたんで、
ひかり輝いていたら
よいのになあ

でも
似ている女の人が
わたしと同じ人を好きになったら
さびしいなあ

わたしとおなじほど
相手のことを思いやっているだろう
わたしとおなじほど
相手のことをその幸せを祈っているだろう
わたしとおなじほど
相手のことを大好きになるんだろう

弱くて
怖くて
暗くて
逃げて


悲しくて


愛しくて
恋しくて
なにより好きなのだったら

わたしたちの好きは
おんなじ好きだ

でも
わたしじゃなくてあの人が
幸せになるのなら
それはもう
仕方のないことかもしれない

わたしにわたしの道が
見えないかぎり
わたしは
真っ暗闇の森林を
あの枝この枝に
引っかかり
傷つきながら
手さぐりで
歩いているみたいなものだから

でも
似ている女の人から見たらわたしも
まっすぐで綺麗な真っ白な幸福な道を
歩いているように
見えるのだろうか

もしかしたら案外
そうなものかもしれないね

もしそうなら
わたしもわたしの行くべき道を行く
それがたとえば
真っ暗闇のイバラの道であっても




自由詩 わたしとあの人の道 Copyright 立見春香 2018-10-14 18:05:38
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