アップル シナモン
腰国改修

アップル シナモン 川の岸辺
小さなブロックに腰掛けて
気に入らなかったから地面に寝転んだ
あっと思う間もなくマネキンになっていた
拾われて生活が始まってその色とオーダーに染められた
抵抗は出来なかったけれど悪いようにはされなかった
時々マネキンであることを忘れて色々しようとしたようだった
適当な日に誕生日だと言ってケーキにロウソク
水色の鳥を買って来て『二人』で育てようと
夜 山の頂上に運ばれて 銀河 初めて見たり
夕焼け 川を暖かく染まるのを見たり
いつしか ごめんね ごめんね そればかり思うように
抱きしめてくれればくれるほど虚しい 痛い
それでも 拾わなければよかったとは思わないと
いつか二人で決めた 巻き戻そう時計を
最初は『時計を壊そう』だった
アップル シナモン あの日のような刻
『私たち』は離れることにして
拾われた私は捨てられた 地面は冷たい
ひとりでいること ふたりでいること
まるで呪文のように思えてまたいつかここで
マネキンになるために


自由詩 アップル シナモン Copyright 腰国改修 2018-10-13 20:35:37
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