炭酸
ミナト 螢

ガラスの泡が
喉で割れる痛みを
声帯に置いたまま

350mlの缶で
山登りするような
飲み方を知った

途中で引き返す
ことのないルート

底が見えるまで
角度を変えて

空っぽに開けた
缶を潰す時

喉の山脈に
吹く涼しい風は

炭酸がもたらす
心地良さを

アステルパームの
甘味料に混ぜた


自由詩 炭酸 Copyright ミナト 螢 2018-10-11 17:13:47
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