使えない男は
こたきひろし

使えない男だ
どこへいっても何をしても
結果、使えない男だろう

極めて上から見下されたその言葉に
職業人としてのプライドはズタズタ
男としての立ち位置はグラグラにされた

「おい、もう一度いってみろ」

上司の胸ぐらをつかんで一発殴ってやりたかったが、現実は一言も言い返せずに黙ってしまった
俺はたしかに使えない男だと納得せざる得ない
仕事のミスを重ね。反省はするがふたたびミスをする
俺は正真正銘の使えない男なんだよ。

使えない男ね
役立たず
私を満足させられないで、いっつも自分だけ先にいって
それでよく男かつとまるわよ
我慢に我慢をかさねてきたの
女にこんな台詞を言わせないでよ

だけど
たしかにあんたは使えない男だけど
似た者同士
私は使えない女だから
あんたに見棄てられたら行き場をなくして
きっと野垂れ死にするから
このまま男と女でいるわ

これを愛情とは言えなくてもさ
あんたの人生に付きまとってあげるから




自由詩 使えない男は Copyright こたきひろし 2018-10-10 23:14:07
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