貝のように
藤鈴呼


熱々の鉄板の上
肉汁滴る薫りに乗せられ
気分は上々

気流を信じて籠を編む
空に飛ばす為

厚い雲をも突き抜けて
何処までも昇れば
天使の羽根が見えて来る

昔憧れし衣の奥に
少しパン粉が挟まって

口を開けた帆立を
思い出すよう

鍋肌醤油で焦がした心
溶けた雪を思い出す冬

今が夏でもなく
秋でもない理由を
何時までも探し続ける

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自由詩 貝のように Copyright 藤鈴呼 2018-10-10 10:14:49
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