待ち続けた後は
坂本瞳子

待つのは嫌いだ
心が塞がれてしまいそうになる
ただ待ちぼうけを喰らうだなんて
随分馬鹿にされたものだ
気持ちは一向に晴れることなく
待たされたという事実だけが残る
雨が降らなかっただけ
今日はマシだったかもしれない
こんな日はオイシイモノが食べたくなる
無性に意地汚いまでに
そして冷蔵庫の中のものを
手当たり次第にたらふく頬張って
満腹になって幸せな気持ちを覚えて
満たされる
なんとも現金なものだ
そしてまた自己嫌悪に陥る
その繰り返し
それでもきっと明日は別の
美しい日であろうと願う
涙を堪えて口を捻じ曲げて
蔑むような視線さえも
甘んじて受け入れてやろうではないか
だって私は力強く生きているんだもの


自由詩 待ち続けた後は Copyright 坂本瞳子 2018-10-09 23:00:14
notebook Home 戻る  過去 未来