黒蝶粋
藤鈴呼


萌え出ずる世界を
連想するかの如く

ウキが描く軌跡は
花びらのよう

あと半分で完成する
パズルよりも
未だ足りぬから

脳内伝達物質で
飾り立てた

観えぬ部分は
記憶が補充してくれる

ふわりふわりと揺れる筈の水上で
大きく動いたように見えぬ理由

キミは浮き輪

幾ら浮き上がってみても
空には届かぬと泣いている

黒い羽根を広げ
跳ねた水滴の右側に映り込む

遠くに魚が見える
岸から離れられぬマーメイド

森の中に住む狩猟民族と
海の中で待つ家族達に挟まれて

フィッシュボーン 
髪型は決まった

羽衣のドレスの代わりに
透明な粒を纏い

足をバタつかせ
もがきながらも

いつまでも 踊り続ける

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 黒蝶粋 Copyright 藤鈴呼 2018-10-09 09:55:19
notebook Home 戻る  過去 未来