片隅に
十一月の失敗作

小さいけれど頭の片隅に確かにある言葉

とらわれないように首を傾げて微笑むわたしの癖を
あなたはいつも笑っていたね


引き出しの奥にある日記は思い出の色がつき
次のページを待ち望んでいる

苦手だった雨の日さえ特別な時間に変わった
道に迷ったことも宝探しのような楽しさがあった


夕暮れ時の独特な風を感じるたびに
苦しくなるほどの寂しさに連れ去られる


答えが欲しくて永遠についての幼い問い掛けをする


積み重ねた日々は案外あっけないのかもしれない


小さくなる背中を見つめて
ゆっくりと手を振る



頭の片隅の確かな存在感

また、言えなかった



自由詩 片隅に Copyright 十一月の失敗作 2018-10-08 07:50:12縦
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