車輪は何処迄続くのか
藤鈴呼



痛み 哀しみ 揺らぎを留めて
クルクルと回る

周りを見渡せば
唯だの喧騒

カラカラと響く 笑い話
謙遜したり 相槌を打ったり
余念が無い

邪念が無いとは
どういう事実なのか

動きを止めた車輪が
エスカレーターの入り口で
静かに 佇んで居る

居住まいを正して
居住空間を見渡して
何が変わったかな

空気感
嫌悪感

吐き気と共に吐き出した空気も
吹き出した笑いを乗せた空気も

月の下では皆同じ
ツキを重ねて進む道

尽きたのは歯車
此処には 足音が響く

足跡はイラナイ
硝子の向こう側が
少しでも 透明に 視える角度で
微笑んで イタイから

足元のマットには
全体を見渡す灯火

スポットライトを浴びたふう
一陣の風も 忘れたかのような

屋内だから
ビニールハウスみたいに

生育している 可愛らしい苺が
外側から 見えるだけなの

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自由詩 車輪は何処迄続くのか Copyright 藤鈴呼 2018-10-08 02:01:35
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