もしも悲しみが猫だったら
福ちゃん

もしも悲しみが猫だったら
きっと僕は今より強くいられる
気まぐれに悲しみがやってきても
優しくその子を
抱きしめられるだろう
いつか気まぐれに
去ってしまうと知っているから

もしも悲しみが猫だったら
あなたのその悩みは
極上のかつお節なのだ
わざわざ律儀に
裏庭に置く必要なんてないのだから
湯豆腐に乗っけて美味しく食べてしまえばいい
あなたの内の一匹だけを
そっと撫でてあげればいい

もしも悲しみが猫だったら
僕は招き猫を信じてみよう
本当の悲しみならば
本当の幸せを見つけられると思うから
悲しみを分かち合うために
人は寄り添うのだと思うから

もしも悲しみが猫だったら

眠れない夜
そんなことを考えていた


自由詩 もしも悲しみが猫だったら Copyright 福ちゃん 2018-10-06 08:00:15
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