誰のためにもならない
福ちゃん

雨のひと粒は私の涙
あの夜の排水口にするりと流れた
今日の雨は
あなたの肩を湿らせましたか

今日の雨はあいつの一滴
アパートの窓からじっと見つめる
今日は外には出ないと決めた日
傘にだってあいつの涙は当たらない


雨の街
ひとり歩く少年が
知らない女の悲しみを
一身に受けている


自由詩 誰のためにもならない Copyright 福ちゃん 2018-10-05 01:45:23
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