消滅
春日線香
川縁の遊水地に子供が十人ほど輪になって佇んでいる。どの子も下着を着ただけの細い身体で、じっと正面に目を向けてわずかに呼吸しているのが肩の微細な動きでわかる。その輪の中に光の反射が導かれて、光に掠められた子はすうっと消えてしまう。悲鳴すら聞こえない。土手の上から悪魔が鏡を反射させて一幕を楽しんでいる。血の味の煙草を吸って血の味の煙を吐く悪魔。
自由詩
消滅
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春日線香
2018-10-01 17:26:48縦