変と遍
木立 悟





もしかしたら
ずっとそのままかもしれないものたちにしがみつき
ぼろぼろに
ぼろぼろになってゆく
有限の 有限の 歩幅


途切れているにちがいない
だが
つづいているにちがいない
ずっとずっと手を伸ばす
ずっとずっと冬でいる


また
風が風に乗り金属を斬る
夜の深まりと虚しさ
森の奥に
揺れる灯の火


影が咲く
影が咲く
水の失い溝を流れる風
接ぎめに触れては起こる波
壊れた時計の 確かな時


無のうたに
水の花がそそがれ
唯のうたになり
陽を揺らし 曇を揺らし
虹を降らす





  












自由詩 変と遍 Copyright 木立 悟 2018-10-01 09:40:52
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