希望の国
秋葉竹


なににも従わない
虹の入り口を知っている
あなた、

昇らないのは
透明な髪と透明な羽を持たないから?

吊るされた人の
子どものころから消えない孤独の性が
引き攣った泣き笑いをしている
あなた、

だれより幸せな
夜の帳が下りる街でも
その名前を呼ばれることはない
あなた、

そんな今夜この国には
青緑色の巨きなオーロラが
痛みをともないふりそそぐだろう
そんな
消えない
叶う
夢のかたちをした予言を聞くのなら
あなた、

機械の強さで眼をつむり
そのために棄てた
優しさやら思い遣りやらをもう一度
熾火をおこすようにおこしなおせよ、

あなたの、

それが最後の穢れていた夜となり
明日からはなにも
恐れなくてよい
生まれたままの美しい柔らかい肌に戻るから
それは孤独ではない
それぞれを尊ぶべき
孤立するたましいとなるのだから






自由詩 希望の国 Copyright 秋葉竹 2018-09-29 13:32:36
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