晩秋
秋葉竹

天高く
伸ばす希望をふりはらう
透徹した眼のあなたを想うよ

宵待ちの
こころがきゅんと鳴るミルク
飲み干すあとから月みる十五夜


座り込む
星降る夜空の下の街
秋の風ふく旅に疲れて

よろしいの?
寂しい眼をしていますけど
そんな努力に応える気はない


好きになる
理由がそれだと思うなよ
あたしそれほどお安くないわよ

やあといい
右手をあげて透きとおる
あなたのかなしみほお撫で消そうか


流星の
降る夜わかれをちゃんと知る
嵐の如き熱量のあと


甘栗を
食べて指まで甘くなる
ちゃんと別れる決意でいるのに




短歌 晩秋 Copyright 秋葉竹 2018-09-27 22:38:24
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