天井のふくし
福ちゃん
天井にふくしが貼りついている
頼りなく「ふ」の字が剥がれかけている
重力に耐えかねている
見えないおもいに耐えかねている
布団の上で僕はそれを眺めている
貼り直す気が起きないことに
僕は不思議を感じない
柔らかさに包まれて自身のおもみに意識を集中する
どこかで期待している
目を覚ますと貼り直されたふくしを
そのとき僕は再び目を閉じ深い眠りにつくのだ
だからこそ僕は
立ち上がり、
力の限りそれを引き剥がした
そうして自分勝手に泣いた
自由詩
天井のふくし
Copyright
福ちゃん
2018-09-27 11:21:38