拘束
ミナト 螢

波長が合わない音楽に
置いていかれた気がして

落とした涙が
トンボの羽根の
動きを止めていると
思ったのに

ちっとも動かずに
死体だと
気付いたせいで
そこには触れずに

隣にあった
星のヘアピンを
盗もうとして
手を差し出すと

蝶々が三回も
腕の周りを
回りながら
私に手錠をかけた


自由詩 拘束 Copyright ミナト 螢 2018-09-26 15:38:11
notebook Home 戻る  過去 未来