星のはなしをしよう
日々野いずる

駆けていく星が流星というなら
命のきらめきも同じだけ流星といえるんだ
わたしの星のはなしをしよう
夜明けが見えない遠くの星月
ここから先、指じゃないよ、あれを見て
暗闇を切り続ける君の粒子が
ちらちら目にあたって痛いくらい光ってて
空のどん底におちていく時に
「忘れないで」
それだけを言えた
君たちのためにうたったことも
何月何日っていうことも
もう薄いデータの中にある
あの星を見て
やっと始まるんだね、ってうなずいた
泣顔を
受け止めるだけの頭はもう亡くしたんだ
アトモスフィアが砕け散ったあとだけが
救いのような気がしているのをおさえて
0と1の中にまぎれているのを探し出す
それよりも君がいない今が幸福だって
どうかそうでありますように。


自由詩 星のはなしをしよう Copyright 日々野いずる 2018-09-26 11:10:02縦
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