供花
春日線香

もう一年になる。トラックが子供をはねて今もそこに白い花が供えてある。途切れずに誰かが、たぶん遺族だと思うが替えていて、そこだけいつも瑞々しい気配が漂っている。夜暗くても甘い香りがして花が供えられているのがよくわかった。通りすがりに横目でちらりと見る毎日で、その白い花がいつまでも枯れないなにかの目印になっていた。


自由詩 供花 Copyright 春日線香 2018-09-10 04:41:57
notebook Home 戻る  過去 未来