自営業
ミナト 螢

熱を含んだ雨が空を刻み
冷たい窓に水滴を残し
レシートの角で当てると痛がり
愛に例えるとそれは君だった

ハンバーグの肉汁みたいに
汚れたものしか出てこない体を

擦り合わせてパスポートがなくても
どこへだって行けるから夜は自営業

倒した自転車が赤い点滅
消えるまでの間に何を祈ったの

君の回想を雨粒に乗せて
僕の涙が浮き上がる星へ

生きている限り腐らせないよ
咲いている限り終わらせないよ


自由詩 自営業 Copyright ミナト 螢 2018-08-28 11:13:24
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