東京
ミナト 螢

都会のスピードに慣れようとして
おもりを外した身体で生きる

良く見えない星に掴まるよりも
ネオンの明かりが無個性に光り
次から次へと流れていくから
タクシーを止めるのが下手だった

夜の時間は長い気がするけど
本屋もデパートもシャッターを下ろし

小説はラストシーンを書き換え
マネキンは首の角度を直す

誰も知らずに真夜中は運ばれ
明日の客は気付くだろうか

行列の先で見つけたものに
時間という付加価値を付けて
満足してるだけなんじゃないの


自由詩 東京 Copyright ミナト 螢 2018-08-19 10:58:56
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